(第14回)


11. 位相板
   入射光に位相差を与えるために光学系に挿入される透明な光学板で、結晶位相板と
   光学ガラス位相板の2種類があります。

   【結晶位相板】
    互いに直交する振動面をもつ直線偏光成分を透過させたとき、2つの成分に光路差
    を発生させる一軸結晶板(水晶等)で、直線偏光を円偏光にあるいはその逆に変換
    する働きをする1/4波長板や偏光面を90°回転させる1/2波長板があります。
    入射光の波長をλ、結晶板の厚さをt、直交する2つの直線偏光成分に対する
    結晶の複屈折率をn1、n2とすると、その位相差は
       (2π/λ)(n1−n2)t
    となります。

   【光学ガラス位相板】
    平行平面の光学ガラス板の表面の一部に屈折率n、厚さtの等方性材料の透明な
    薄膜を形成したもので、膜の有無により入射光に位相差を発生させるものです。
    その位相差は、
       (2π/λ)(n1−1)t
    となります。この位相板は位相差顕微鏡に使用されます。
   波長板が1/4または1/2波長の位相差の厚みをもつとき、ゼロオーダーの波長板
   といい、射出面での位相差が1/4または1/2波長の整数倍であるとき、マルチプル
   オーダーの波長板といいます。
  
  次回は収差の話です
  第1〜13回の話も読みたい方、ご質問等は気軽に  reception@sankyou-kogaku.co.jpまでご連絡をお願いします。
 
  第1回 歴史、光の反射
 第2回 光の屈折
 第3回 光のスペクトル、光の色、物体の色
 第4回 光の干渉、回折、偏光
 第5回 単レンズの概要
 第6回 顕微鏡の光学系
 第7回 望遠レンズ、テレコンバータ
 第8回 写真レンズ
 第9回 レーザ光学系
 第10〜12回 プリズム
 第13回 回折格子