(第15〜16回)


  ここからは、専門的な内容になりますが、「収差」について触れたいと思います。
  この「収差」を知ったうえで、各種のレンズについてその特徴をもう少し詳しく解説してみようと思います。
  また、それらのレンズが実際にどんな機器に使われているのかも併せてみていこうと思います。
   1. 理想的なレンズの条件は
          点が点に結像する
           平面が平面に結像する
           物体と像が対称である
    を満足することです。この理想レンズからの誤差量を「収差」といいます。
  幾何光学的な収差としては以下の5種類が定義されています。
    @ 球面収差

       レンズを透過−結像する光線が、光軸を横切る位置の理想位置からのズレとして定義されます。

   A コマ収差

      光軸上以外の結像に対する収差で、軸外の球面収差といえます。
      入射瞳の高さに応じて像面を横切る場所が違うため、すい星のように尾をひいた像になります。
  B 非点収差

    画面上の1点に対して、光軸に対して同心円方向に結像する位置と、
    放射方向に結像する位置が異なるために点像が得られない収差です。
     C 像面湾曲

        物体面を平面としたときに、像面が平面とならない収差です。
        その結果画面の中央部に焦点を合わせると周辺部がボケたり、
        周辺部に焦点を合わせると中央部がボケることになります。
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        D 歪曲収差

            物体と像の形状が相似にならない収差です。一般のレンズでは像高がf・tanθからの
            ずれる割合を示します。f・θレンズのような特殊なレンズ系もあります。
  第1〜14回の話も読みたい方、ご質問等は気軽に  reception@sankyou-kogaku.co.jpまでご連絡をお願いします。
 
  第1回 歴史、光の反射
 第2回 光の屈折
 第3回 光のスペクトル、光の色、物体の色
 第4回 光の干渉、回折、偏光
 第5回 単レンズの概要
 第6回 顕微鏡の光学系
 第7回 望遠レンズ、テレコンバータ
 第8回 写真レンズ
 第9回 レーザ光学系
 第10〜12回 プリズム
 第13回 回折格子
 第14回 位相板