「光学の基礎」

(第4回)


9.光の干渉


 いくつかの波が重なるとき、強め合ったり弱め合ったりすることがあります。
 この現象を波の干渉といいます。

 【強め合うモデル】
 
 【打ち消し合うモデル】
 

    ※1.シャボン玉が美しく輝く現象は、薄い膜の上下の境界線で反射した光どうしが
       干渉する結果です。膨らますごとに色が変化していくのは、膜の厚さが変わる
       からです。

    ※2.ガラス面からの光の反射を少なくするためにガラス面に薄膜を着けます。これ
       をコーティングレンズといいます。この膜によって、可視域のほぼ中央の黄緑
       色の光は干渉によって消えます。しかし、可視域両端の赤や紫は多少反射します。
        このため、カメラ等のコーティングレンズは青紫色に見えるのです。
  ※3.この薄膜を何層か着けて、より広範囲の光の反射を減少させることができます
     (一般にマルチコートといいます)。めがねの場合は、その反射色は緑色が多
     いです。膜の特性について下図に示します。


10.回 折
 進行する波が障害物の陰に当たる場所にも曲がり込んで伝わる現象を波の回折といいます。
 例えば港の防波堤の陰に海の波が曲がり込む現象やコンクリート塀の向う側のひそひそ話が
 こちら側に聞こえるのは日常体験できる回折現象です。これに比べると光の回折現象は
 その大きさが小さいため、日常検知することが難しいのです。

 【光の回折現象】
 @ 温泉の湯殿の湯気のこもった室内で電燈を見ると、電燈のまわりに輪が見える
    ことがあります。これは、湯気の粒子によって電燈からの光が回折することによって
    生じたものです。

 A 太陽や月のまわりにできるかさは、巻層雲の細かい氷の結晶の粒子によって
    反射や屈折をさせられて生ずるものです。このかさと似た現象に光環
   (内側が紫で外側が赤になる順に着色した小さい輪)があります。
    これは、粒のそろった水滴からできている雲が、太陽や月の面を覆うとき、
    それらからの光が水滴によって回折されるために生じたものです。
    @と同じ現象。


11.偏 光
 光が進行方向を含む1平面内で振動することを光の偏り(偏光)といいます。
 偏光を観察するものに偏光板があります。

 【偏光現象】
 @ 黒板が光って文字が見えない場合があります。このようなとき偏光板の光軸を適当にして
    黒板を見れば、黒板から反射する光の大部分が吸収され、文字がよく見えるようになります。

 A カメラの前に偏光板をおいて回すことにより、水面からの反射光を遮って水中の魚を撮る
    ことができます。ウィンドウごしの撮影にも同じことがいえます。
 
 B コンパクトディスクでは、レーザ光が同じ光路を行き来して、行きと戻りではその行先を
    変えなければなりません。これに偏光現象が使われています。(下図)  

※  それぞれの素子のはたらきについては後で説明することにします。

次回へつづく・・・。
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